白んだ空、胸は明かず

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白石紬ソロ曲「瑠璃色金魚と花菖蒲」の個人的解釈

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白石紬に惹かれてしまいました。

なんていうか、纏っている雰囲気が好き。

いわゆる「ティンときた」ってやつです。

まあ彼女の魅力についてはおいおい書くとして、今回は彼女のソロ曲である「瑠璃色金魚と花菖蒲」についてある程度の解釈ができたのでそれを書こうと思います。

 

まず、タイトルに含まれる二つの名詞の「瑠璃色金魚」と「花菖蒲」についてです。

「金魚」はすぐに思い当たりました。

それは紬の「ヒミツ」です。

ここでは紬が過去に金魚すくいですくった金魚を大切にしているという内容が出てきます。また、なぜこの金魚を大切にしているのかとても気になります。

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次は「花菖蒲」です。

花菖蒲は5~6月に咲く花ですね。この時期にはちょうど紬の誕生日(5/29)があります。

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さらに歌詞全体の印象としては、「瑠璃色金魚」が「花菖蒲」に憧れに近い愛しさを抱いていますね。

そして、「花菖蒲」には「凛と咲き誇る」や「凛と佇んだ」といったような言葉が掛けられています。

このことから私は

「瑠璃色金魚」がアイドルになる前、あるいはなったばかりの現在の紬
「花菖蒲」がトップアイドルとなった未来の紬

と考えました。

 

以下は歌詞の細かい考察となります。

(もちろん、「瑠璃色金魚と花菖蒲」の歌詞を知っていることが前提条件となります)

 

まずAメロです。

このパートではおそらくアイドルに憧れている紬の精神状態が描かれているのだと思います。

アイドル(=花菖蒲)に憧れる紬(=瑠璃色金魚)。そんな紬の想い(=吐き出す空気)が叶うなんて(石川県という都会からは遠く離れた地に住んでいる)紬自身は決して考えていません。

 

次はBメロです。

ここでは紬のスカウトの話(白石紬メモリアルコミュ第1話)が描かれているのだと思います。

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最初のフレーズはプロデューサーからの「アイドルに興味ないか!?」の提案のことを「はなびらが落ちる」ことに喩えているのだと考えられます。

花菖蒲はトップアイドルとなったあとの紬なのですから、そのトップアイドルになるためのきっかけ(はなびらひとひら)がプロデューサーによって紬に与えられた(落ちた)のです。

その瞬間に紬の世界は揺れ動いていきます(水面に落ちて震える)。

さらに、紬自身の心も揺さぶられます(震える指先)。

そしてBメロ第2フレーズでは、アイドルになりたいという欲望がプロデュースの言葉によって喚起されたことを表しています。

「アイドルになりたい」という願いが目覚め、感情が大きく揺さぶられ、まるで「世界が止ま」ったように感じたのでしょう。

そして第3フレーズで書かれている「外の世界」はもちろん「アイドルの世界」のことです。アイドルになる前にの、一般人の紬にとっては「アイドルの世界」は輝かしいのです。

そして第4フレーズはプロデューサーのスカウトの言葉に対する思いでしょう。

メインコミュ第4話と紬のメモリアルコミュ第1話を見てみて分かったのですが、紬はなかなか素直ではありません。

そんな素直ではない紬は、自分の心をこんなにも揺れ動かしたプロデューサーの行為を「罪」であると形容します。

それでも第5,6フレーズで素直な紬の本心が見て取れます。それが「心地いい」と「もう(アイドルとしての自分を)求めている」という言葉に集約されているのでしょう。

(「眩暈がしても心地いい」なんてまさに紬らしいなと感じますね)

 

そしてサビに繋がります。

前半は明瞭です。

トップアイドルとしての自分(=花菖蒲)を夢見るアイドルなりたての紬の心情が綴ってあります。

問題は後半です。

ちょっと解釈に手間取りました。

ざっくりいうと、アイドルになりたてでなかなか成果が出ない時期の紬の苦しい感情を綴っているのではないだろうか。というのが私の解釈です。

プロデューサーが紬をスカウトしました(灯した明かり)が、なかなか上へ上り詰めることができずに(燃えないまま)、低ランクアイドルでくすぶっている(今も青く棚引いている)。

そんな風に解釈しました。

そして続く「曇った硝子」というワード。

これに最も悩まされました。

そんな私にヒントを与えてくれたのが寺尾聡の「ルビーの指輪」です。

「くもり硝子」といえば真っ先に浮かぶのはこの曲です。

そして調べてみると、「ルビーの指輪」において「くもり硝子」は「つまらない現実」と「幸せの象徴の街」との境を意味しているそうです。

なのでこれを「瑠璃色金魚と花菖蒲」に当てはめてみます。

そうすると、「曇った硝子」は「一般人(”過去の”現実)としての紬」と「アイドル(幸せの”象徴”)としての紬」を隔てる障害のことを表しているのだと考えられました。

なのでサビの最後は「一般人からアイドルになる(曇った硝子を溶かす)ための素質(秘密)を持っているかどうか紬が自問自答している」と考えられます。

 

そしてラストサビです。

ここでは自身を見出してくれたプロデューサーに対する想いとトップアイドルになりたいという強い決意が綴られています。

プロデューサーが自分に対する期待(触れてくれた温もり&光)を無くしてしまったら、私はトップアイドルにはなれない(枯れていく)。

そんなことになってしまったらまた一般人に逆戻りしてしまう。

でもそんなことにはなりたくない(抜け出したい)。

そして、

「(だから)私きっと(トップアイドルになってやる)」

という最後のフレーズに繋がるのです。

強く、頼もしい感情が赤裸々に吐露されたのがラストサビなのです。

 

長くなりましたが、これで一通りの解説は終了です。

最後に、「花菖蒲」の花言葉

「うれしい知らせ」

「あなたを信じる」

「優雅」

なのですが、これにはおそらくこんな意味を込めたのではないのでしょうか。

「うれしい知らせ」は「アイドルになるきっかけ(スカウト)」

「あなたを信じる」は「プロデューサーへの信頼」

「優雅」は「紬自身を形容した言葉」

 

「瑠璃色金魚と花菖蒲」はアイドルになりたてのまだ成熟しきっていない白石紬の心を見事に表すと同時に、トップアイドルになってやるという彼女の強い意志を

綴っているのだなと感心してしまいます。

 

いつか、曇り硝子で作られた小さな水槽で泳いでいた瑠璃色の金魚が、綺麗な花菖蒲として咲き乱れてくれることを願ってやみません。

いえ、必ず咲かせてみせます。