白んだ空、胸は明かず

Twitter:@siramune

「幸せへと戻る道」と「幸せへと進む道」

まず初めに、

WHITE ALBUM2 EXTENDED EDITION」発売おめでとうございます!

そして、ありがとうございます!

 

2018年2月14日にリリースされた、WA2完全版。

この発売を機に、今まであえてやらずにいた「ミニアフターストーリー」をプレイした。

プレイしてしまったら、そこで私のWA2が終わりそうな気がしていたから・・・。

でもWA2を初めてクリアしてから少しとも言えないくらいの時間が経ち、

自分の中で十分温めただろうと思えたから、今回プレイした。

だから、そんなに長くない簡単な感想を書こうと思う。

それぞれの話に関して事細かに感想を述べるつもりはない。

たくさんのファンが書いて、発信しているだろうからね。

2つの話を比較しながら、書こうと思う。

(はっきり言ってお粗末すぎる解釈だから、批判とかあると思うけど、お手柔らかにお願いします)

 

 

「幸せへと戻る道」と「幸せへと進む道」

プレイする以前からこの二つの話のタイトルは知っていた。

かずさとの話が「戻る道」

雪菜との話が「進む道」

なぜ、真逆の言葉が使われているのか、それが一番に知りたいことだった。

 

 

かずさTrueと雪菜Trueにはラストに大きな違いがある。

それは「友人たちと決別するかしないか」という違いである。

かずさTrueは一度全員と決別することを選んだ道。

対して、雪菜Trueでは雪菜を筆頭に積極的にあらゆる関係を維持することを選んだ道。

この他者に対して行った態度の違いが「戻る」と「進む」に繋がっていると思う。

 

ここで、「戻る道の夫婦」と「進む道の夫婦」、双方の印象を書いておきたい。

「かずさと春希」に対する印象は、「良くも悪くもあまり変わってないな」という印象だった。

確かに、3年前を土台にし、ふたりの絆はより強固となり、成長した姿は見れる。

それでもかずさは春希がいないと生きていけないような脆さが見え隠れしていた。

対して「雪菜と春希」に対する印象は、「社会人やってるな、変わったな」というものだった。

かつてのような「約束」に固執せず、お互いがお互いの立場を踏まえたうえで、関係を維持しているように見えた。

このような違いがなぜ生まれたのか。

それが私には「友人たちの存在」、ひいては「かずさにとっての雪菜の存在」、あるいは「雪菜にとってのかずさの存在」なのではないかと思えた。

お気づきだと思うが、「戻る道」には「雪菜」というワードが一度として出てこない。

最後の最後でさえ「友人3」という表記だ。

ここは、かずさと春希があえて雪菜を遠ざけていることをしめしているのだろう。

一方、「進む道」ではしっかり雪菜の口から「かずさ」というワードが出てくる。

しかも、さも当然であるかのように。

このように、ふたりの一方に対する扱いの違いが鮮明に描かれている。

3人が3人でいるから変わるのか、雪菜が2人を引っ張っているのか、それは判別できない。

ただ、「戻る道」と「進む道」を比較して、

この3人は3人の関係を保っていると変わりやすいのだろう、

本当の幸せのカタチに近づくのだろうと思えた。

また、「進む道」の春希のモノローグにこんなものがある。

「自分から見ること、触れることが必要・・・・・・」と。

これが如実に反映されているのがこの二つの違いなのではないか。

そう思えた。

 

さて、本題の「戻る」と「進む」の意味について書いていきたい。

タイトルもそうだが、この2つの話は綺麗に対比が成されている。

双方の夫婦はこの物語を通して、彼女らなりの「幸せ」へと前向きに歩んでいる。

かずさたちは「日本へと戻り、思い出の詰まった地へと赴き、過去を払拭するカタチ」で。

雪菜たちは「過去の出来事を、思い出に昇華し、未来に全力を注ぐというカタチ」で。

この2つを形容させたのが「住まいの移転」なのだろう。

ここも綺麗な対比が見て取れた。

「戻る道」では「かつての邸宅に戻り未来を築くカタチ」が、

「進む道」では「大学以来のアパートから新居に引っ越して未来を築くカタチ」が。

(「幸せへと戻る道」で本当に邸宅に戻るかどうかは定かではないが、そういう選択肢が提示されたということで)

「進む」は以上のことと、雪菜Trueからの続きという点でそのままの意味だろう。

 

それでは「戻る」とは・・・?

「全ての罪を許し、2人が2人のはじまりの場所へと戻り、2人の未来を改めて築く」

私にはそう思えた。

2人は最初からかずさTrueまでの長い間に多くの過ちを繰り返した。

(それを咎めることはできないが)

だから、「戻る道」では、

「すべての罪の許し」が与えられ、

はじまりへと”戻り”、

幸せへと歩むことが示された。

そう思えた。

そして前述した「3人の関係」。

「戻る道」の最後には「2人の罪を許したであろう雪菜」が現れる。

だから、きっと、3人はまた3人に戻る。

 

かずさと春希が雪菜を「自分から見て、触れることで」、

はじめて「幸せへと戻る」ことができるのだろう。

 

とにかく、WA2に会えて本当に良かった。

ミニアフはとても、とても良かった。

 

 

 

 

最後に、

曜子さん、本当にありがとうございました。